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かわしま法務事務所の電磁的事件簿 ~笑う門には福来る~

自筆証書遺言を法務局で保管できる制度の創設②

前回は新たに成立・公布された遺言書保管法の概要のお話でしたが、
今回はこの制度の注意点に今わかっている範囲で触れたいと思います。

この制度は、自筆証書遺言を遺言者本人がなくしてしまったり
他の家族に隠されたり勝手に書き換えられたりすることを防ぐための制度であり、
公正証書遺言と同じように遺言書を安全に保管できるものと考えられます。

ただし、法務局としては本人が遺言書の保管申請を行ったこと、
その遺言書の「方式」が法律上問題ないことを確認するだけであり、
読んでみてその解釈がわからないなどで問題が発生する可能性は残り
遺言そのものの有効性が法務局によって保証されるものではありません。

また保管を申請される方が遺言を残す能力を持っているかどうかについて
法務局は確認をする義務を課されていません。
ただ超高齢社会が進み、より認知症の高齢者は増加していく中で
法務局の窓口でどのような対応を行うのかは気になります。

ですので、遺言できるだけの意思能力がない場合は受理せず
2名以上の第三者の証人の立会いの下公証人が作成する公正証書遺言の方が
有効な遺言書としての信頼性は高いと言えます。

そしてこの保管制度は、代理人による申請や郵送は認められない方向で検討されています。
司法書士としては自筆証書遺言の法務局への保管を円滑に進められるよう
作成の段階でご依頼者の方のサポートを行い、最終的な保管申請は
ご依頼者の方に出向いていただく形になるのではないかと考えています。

ここで問題になるのは、加齢や病気等により身体が不自由で
法務局に自ら出向くことができない方はこの制度を利用できないということであり、
公証人の先生に出張いただいて公正証書遺言を作成することになると考えます。

いずれにせよ、この制度により相続上の問題をクリアするために
より自筆証書遺言を積極的に活用しようという流れになると考えます。
亡くなられたご家族が自筆証書遺言を残しているか、その内容はどのようなものかを
家族が法務局で確認することが当たり前になる時代がやってくるのではと思います。

遺言書保管法自体が成立したばかりで、細かい規則や
細かい運用方法などはこれから定められて公表されるでしょう。
施行後この制度が皆様にとって有意義にに活用できるものとなるように、
今後引き続き新しい情報の取得に努めるとともに
司法書士・行政書士として出来ることを検討していかなければならないと考えています。

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