Loading

かわしま法務事務所の電磁的事件簿 ~笑う門には福来る~

成年後見制度に関するニュースが続く中で思うこと

認知症などにより判断能力が十分ではない方々の
法律行為などをサポートする成年後見制度について、
今月下旬に入り運用の変更に関するニュースが続々と続いています。

まず今月19日の朝日新聞の朝刊一面トップに、最高裁判所が全国の家庭裁判所に
成年後見人の選任につき親族が望ましい旨の通知を行ったと掲載されました。

この記事は、親族等の身近な支援者がいる場合はその者を後見人にすることが望ましく、
専門職は監督人等に就任することで親族等後見人を支援するかたちを検討することなどを、
最高裁と専門職団体との間で基本的な考え方を共有したことに基づくものです。

成年後見制度の利用者がメリットを実感できる仕組みを目指してのものであり、
このように後見人等の選任の基本的な考え方が示され、大きく報道された後押しで
全体的には親族後見人の選任割合は今後増えていくのではないかと考えます。

私自身は資格者専門職の立場にありますが、この方針には賛成です。
本人のことをよくわかっている親族等がいらっしゃって
選任に特に支障を生じるような事情が無いのであれば
親族等の身近な支援者を後見人にする方が妥当なのではないかと考えています。

ただ、これまでも職業後見人の推薦依頼のあるお話の大部分は
実際に親族等が後見人に就任するのが難しい事情を抱える案件であり、
この通知があったところで大きな変化は無いのではないかと思っています。

この記事の反響の熱が冷めやらぬ中、今度は今月24日に毎日新聞デジタルにて
後見人の報酬算定方法を、後見人の実際の業務量に応じて算定すると
見直しを促す通知を最高裁判所が出したとの記事が掲載されました。

後見事務を類型化し、後見事務の難易度やその事務の質に応じて
評価するということですが、これも後見人報酬の基準を明らかにして
より一般に安心して利用してもらえる制度に、という意図のものと考えられます。

ただ、複雑多岐にわたる後見事務を適正に評価することが可能かは疑問ですし、
被後見人さん本人の収入や資産が少なく、業務量が多いケースで
もし支払いが出来ないからと業務量に応じた報酬を認められないことになれば、
後見人の強い不満を生むことになるのではないかと考えます。

この2つのニュースのとおりに進んでいくとすれば、
家庭裁判所の役割や機能の強化がこれまで以上に制度の適切な運用のために重要となります。

私たち資格者専門職の役割は大きな流れとしては、側面支援が基本になるでしょう。
もっと言えば、資格者専門職としての役割は判断能力が失われた後の対応から、
こうした状況が起こる前にあらかじめ予防策を呼びかけ
適切なサポートを事前に講じる側へのシフトを求められているように感じます。

これからの生活を安心して送っていくための法制度の適切な活用を担い、
遺言や信託などをフル活用しそれぞれの人生に合わせてサポートしていく。
そうした転ばぬ先の杖の役割をしっかりと担っていきたいと考えています。

関連記事

  1. 「相続登記を自分でやってみよう」と考えるその前に
  2. 自分で民事信託の契約書を作る危険性
  3. 遺言を残すということ
  4. 思いを形にする大切さ
  5. 任意後見 -自分で設計する後見制度②
  6. 事実婚の選択と相続の備え
  7. インターネット上の情報をそのまま信じるのは危険です
  8. 不動産登記は自分でできる?!④ ~必要書類の作成について

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP